インチュニブの特徴・副作用は?
詳細なまとめ

この記事は約7分で読めます。

インチュニブ特徴・用法用量・注意点・副作用などについてまとめました。

  1. 医療関係者ではない一般の方に向けてこの記事を書きましたが、少し難しい部分もあるかもしれません。
  2. 自分の飲んでいる薬について不安や疑問点があれば、まずは主治医に相談しましょう。自己判断は避けてください。
  1. ADHD治療薬の概要についてはこちらも参照して下さい→「コンサータとストラテラの特徴」
  2. 作用機序についてはこちらを参照して下さい→「ADHDの脳科学と薬」

・インチュニブ

  (成分名:グアンファシン)

特徴

  • 2019年6月から成人にも使用できるようになった比較的新しい薬です。
  • α2Aアドレナリン受容体に作用するという他のADHD治療薬とは違う作用機序を持った薬ですが、ADHDの不注意/多動性/衝動性を改善するという点では他のADHD治療薬と同じです。
  • α2Aアドレナリン受容体は鎮静作用に関わる受容体です。 →別記事「ADHDの脳科学・薬」も参照して下さい。 そのため、特に多動性/衝動性に効果があるのではないかと言われています。しかし、コンサータやストラテラと効果を比較した研究がまだ少なく、効果の詳細な違いについてはまだ不明です。
  • 体重減少の副作用が起こりにくく、成長阻害がないので、その点ではコンサータやストラテラよりも小児期に使いやすい薬になります。
  • 運動性チック/Tourette症候群にも効果がある可能性が報告されており、運動性チック/Tourette症候群を併発しているADHDの方にも使いやすい薬になります。
  • 精神的な依存性はありませんが、血圧・脈拍低下作用があり、「薬の服用開始前および用量変更の1〜2週間後には、血圧および脈拍数を測定すること。至適用量の決定後にも4週に1回を目途に血圧および脈拍数を測定すること。」と定期的な血圧・脈拍測定についてコンサータ/ストラテラよりも細かく規定されています。
  • また、急に中止すると反動で血圧上昇・頻脈が起こる可能性があり、飲み忘れには特に注意が必要な薬です。
  • 服用開始から効果発現までは1~2週間かかるとされています(個人差あり)。
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、心臓の房室ブロック(第二度、第三度)のある患者は使用できません。
  • インチュニブ単体でも使用されますが、コンサータやストラテラと併用で使用されることもあります。

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用法・注意点

  • 1日1回服用。
  • 18歳未満での用量は下表を参照。
体重開始用量維持用量最高用量
17kg~25kg未満 1mg 1mg 2mg 
25kg~34kg未満 1mg 2mg 3mg 
34kg~38kg未満 1mg 2mg 4mg 
38kg~42kg未満 1mg 3mg 4mg 
42kg~50kg未満 1mg 3mg 5mg 
50kg~63kg未満 2mg 4mg 6mg 
63kg~75kg未満 2mg 5mg 6mg 
75kg以上 2mg 6mg 6mg 
  • 18歳以上での用量
    開始用量:1日2mg
    維持用量:1日4~6mg
    (増量時は一週間以上の間隔をあける)
  • 医師の指示通りに服用し、飲み忘れた場合は医師または薬剤師に相談してください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
  • 食事の影響も少し受けるため、食前に飲むか食後に飲むかもなるべく統一するようにしてください。
  • 薬が徐々に溶け出すようにコーティングされているため、割って飲んではいけません。
  • 前述の通り中止による反動で血圧上昇、頻脈の恐れがあるので、この薬を中止する時は原則として3日間以上の間隔をあけて1mgずつ、血圧及び脈拍数を測定するなど状態を十分に観察しながら徐々に減量する必要があります。
    (医師の指示のもと休薬。自己判断で減量・中止しないでください。)
  • めまい、眠気などが起こることがありますので、自動車の運転や機械の操作は避けてください。

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併用禁忌、併用注意

併用禁忌の薬はありません。

◇併用注意 (併用に少し注意が必要な薬)

  • CYP3A4/5阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど)
  • CYP3A4/5阻害剤(リファンピシン、カルバマゼピンなど)
  • 鎮静剤、催眠剤、抗精神病薬
  • バルプロ酸
  • 降圧剤
  • ジギタリス
  1. スペースの都合上、全ては記載していません。これらの薬に限らず、飲んでいる薬はすべて医師及び薬剤師にお伝え下さい。

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インチュニブの主な副作用

【小児】 (カッコ内は臨床試験で発現した割合)

  • 傾眠(57.5%)
  • 血圧低下(15.4%)
  • 頭痛(12.2%)

  【成人】 (カッコ内は臨床試験で発現した割合)

  • 傾眠(41.3%)
  • 口渇(33.5%)
  • めまい(28.7%)
  • 血圧低下(26.1%)

 

  1. 強い副作用が出た時は、すぐに受診してください。特にめまい、倦怠感、息切れ、気を失う、希死念慮などの症状が出た場合は、服用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

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・ADHDの治療薬のまとめ

 ADHDの治療薬の主な特徴を表にまとめました。

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 この記事の作成にあたって、各薬剤の添付文書、IF、くすりのしおり(製薬会社が作成している一般の方向けの薬の情報)を参考にさせていただきました。  「くすりのしおり」のリンクを以下に記載します。
その他の参考文献一覧
    1. ADHDの診断・治療指針に関する研究会・齋藤万比古(2016)『注意欠如・多動症ーADHDガイドラインの診断・治療ガイドライン 第4版』じほう
    2. AACAP (2013)“ADHD Parents Medication Guide” (最終閲覧日:2019年12月12日) https://www.aacap.org/App_Themes/AACAP/docs/resource_centers/resources/med_guides/adhd_parents_medication_guide_english.pdf
    3. Wernicke JF et al. (2004) Journal of Clinical Psychopharmacology, 24 (1):30-35
    4. 深井良祐 “役に立つ薬の情報~専門薬学” (最終閲覧日:2019/12/26)https://kusuri-jouhou.com/medi/sonota/guanfacine.html
    5. Sallee FR et al. (2009) “Long-term safety and efficacy of guanfacine extended release in children and adolescents with attention-deficit/hyperactivity disorder.” J Child Adolesc Psychopharmacol,19(3):215–226.
    6. 松吉大輔 (2012) “脳科学辞典 実行機能” (最終閲覧日:2019/12/26) https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E6%A9%9F%E8%83%BD
    7. CHAPPELL, et al. (1995). Guanfacine Treatment of Comorbid Attention-Deficit Hyperactivity Disorder and Tourette’s Syndrome: Preliminary Clinical Experience. Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry, 34(9):1140-1146
 
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