発達障害の方は聴覚過敏でお悩みの方も多いと思います。
聴覚過敏があると、人混みの騒音や店内のBGM、車のエンジン音などが集中力を妨げ、ときには大きなストレスとなります。 また重度の方では、騒音を痛みとして感じる方もいるようです。
私自身も軽度の聴覚過敏があり、ノイズキャンセリング機能付きのデジタル耳栓やイヤホンを購入検討中で、ヨドバシカメラでいくつか試用もしましたので、その中で良かったものを感想も含めてそれらを紹介させていただこうと思います。
ただし、短期的な試用での、かなり主観の入った感想なので、あくまで参考の一つにしていただければと思います。
※その後、最終的にデジタル耳せん「MM2000」を購入しました。実際に日常で使用してみてのレビューはこちらの記事「デジタル耳栓MM2000を使用してみた感想。」を参照して下さい。
◎そもそもノイズキャンセリング機能とは?
音には、その逆位相音をぶつけると、お互いに打ち消し合って消滅するという性質があります。ノイズキャンセリング機能は、イヤホンに付属した小さなセンサー(マイク)がノイズを拾い、その逆位相音を発生させて、ノイズを打ち消すというものです。
そのため、持続的な音に対しては有効なものの、突発的な音には対応しきれず打ち消し効果が弱いという弱点があります。
①KING JIMのデジタル耳せんMM1000
- ノイズキャンセリング:
- 使いやすさ:
- 音質:-(イヤホン機能なし)
- 値段:4000円前後
音楽を聞くためのイヤホンとしての機能はなく、ノイズキャンセリング機能のみに特化したデジタル耳栓です。
デジタル耳せんMM1000の良いところ
- 値段が比較的手頃。
- 【従来の耳せんと違い、環境騒音だけを低減し「呼びかけ声」や「アナウンス」、「着信音」といった必要な音は聞こえる】ということを売りにしています。
製品説明には環境騒音を90%カットと書かれていますが、試用したところ、環境騒音のカットは60%ぐらいというのが個人的な実感です。
デジタル耳せんMM1000の微妙なところ
- 充電式ではなく、単4電池1本が必要。
- タッチノイズが響く。
単4電池1本で100時間駆動するとのことで、そんなに電池を換える頻度は高くなさそうが、やはり電池を入れ替えるのは面倒です。
タッチノイズというのは、コードに服などが触れたときにガサガサした音が出ることで、気になる人は気になると思います。
本体の大きさは64mm×64mmで、重さは単4電池も含めたら45gぐらい。小さめのポケットにも入るサイズで、重さも気にならない程度ではありますが、様々な状況での使用を考えると、もう少し小さくても良いのかなとは思ってしまいますね。
公式HPはこちら→https://www.kingjim.co.jp/sp/mm1000/
②KING JIMのデジタル耳せん「MM2000」
- ノイズキャンセリング:
- 使いやすさ:
- 音質:-(イヤホン機能なし)
- 値段:7000円~8000円
上記で紹介したMM1000の進化版です。
ノイズキャンセリング機能がかなり改良されており、実際に環境騒音を90%程度カットしてくれるのを実感しました。
また以下のような点でもMM1000からの進化がみられます。
- バッテリー/コントローラーとイヤホン部が一体化して、ネックバンド型になったので、首にかけて使用できる。持ち運びが楽になった。
- 充電式になり、電池が不要。(充電一回で約50時間連続使用可能とのこと)。
- タッチノイズが軽減された。
このようにMM1000の不満点が大きく解消もしくは軽減されています。
ただし、タッチノイズは軽減されましたが、完全に無くなったわけではないです。
※上述の通り私はこのMM2000を購入しましたので、実際に購入してみての感想はこちらの記事「デジタル耳栓MM2000を使用してみた感想。」を参照して下さい。
公式HPはこちら→https://www.kingjim.co.jp/sp/mm2000/
③SONY WF-1000XM3 Bluetooth イヤホン
- ノイズキャンセリング:
- 使いやすさ:
- 音質:
- 値段:2万5000円前後
もしお金に余裕があったら、一番の購入候補だったのがこちらのWF-1000XM3。
こちらはノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスのイヤホンになりますが、音楽を聞かずにノイズキャンセリング機能のみを使用することもでき、その質が素晴らしいです。実際に7~8個程度イヤホン・デジタル耳栓を試用した中で一番のノイズキャンセリング機能を実感できました。
すでに書いたように、ノイズキャンセリング機能には、ノイズを拾うためのセンサーが必要なのですが、このWF-1000XM3にはセンサーが2つあり、さらに「QN1e」という高性能プロセッサーを使用することで、高レベルなノイズキャンセリングを行っているとのことです。
そしてイヤホンとしての音質も高音質です。
さらにイヤホンに付いているタッチセンサーを触ることで、以下のモードにも切り替えられるようになっています。
- 一時的に音楽の音量を絞り、周囲の音を取り込んで聞きやすくする「クイックアテンションモード」
- 音楽を聴きながら、周囲の音も聞ける「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」
さらに、試用することはできなかったのですが、専用アプリ「Headphones Connect」を使うとさらに便利な機能を使えるようです。
- タッチセンサーの操作をカスタマイズできる。
- ノイズキャンセリングや外音の取り込み方のレベルを22段階で調整できる。
- スマートフォンの加速度センサーにより、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンの行動を検出し、ユーザーの行動に合わせて、あらかじめ各パターンで設定しておいたノイズキャンセリングや外音取り込みのモードに自動で切り替えてくれる。
かなり魅力的な機能ですね。
ただ、やはりお値段の方は高めです。
(高性能イヤホンとしては妥当な値段、というよりむしろ安いぐらいなのかもしれませんが。)
あと、他の方のレビューを見てると、一瞬だけ音切れすることが時々あるとの指摘がいくつか見られましたので、その点はワイヤレスイヤホンとしては短所なのかもしれません。
それと、タッチセンサーによる操作は慣れたら便利だと思いますが、慣れるまで少し戸惑いそうな気がしました。
公式HPはこちら→https://www.sony.jp/headphone/products/WF-1000XM3/index.html
④HOUSE OF MARLEY 「POSITIVE VIBRATION 2」
- ノイズキャンセリング:-(機能なし)
- 使いやすさ:
- 音質:
- 値段:4500~6000円
最後に、ノイズキャンセリング機能はありませんが、個人的にすごく気に入っているヘッドホンを紹介します。
記事の主題とは少しずれますが、私が抑うつ状態の時に、このヘッドホンにはすごく助けられたので、紹介したいと思い、ここに載せました。
このHOUSE OF MARLEYというメーカーの「POSITIVE VIBRATION 2」というヘッドホンは、とにかく音質が自然で、あたたかいのです。
私は抑うつ状態がひどかった時は、音楽ですら楽しめないような状況でした。8000円台のイヤホンも持っていましたが、それで聞いても音がなんだか突き刺さってくるようで、どんな音楽も聞くに耐えませんでした。
しかし、このヘッドホンで聞くと、音がやわらかく、心の底から音楽を楽しむことができました。もっと高価なヘッドホンに比べると、重低音の力強さ等では負けるかもしれませんが、音の自然さ、あたたかさではこのヘッドホンはトップクラスだと思います。
あと、見た目のお洒落さも気に入っているポイントです。
なお、折り畳めるようになっていて、ヘッドホンにしては携帯性も良いです。
以上、聴覚過敏のある方には良いかもしれないデジタル耳栓とイヤホンを紹介させていただきました。
ちなみに、イヤホンはオーディオコーナーにもちろんありましたが、デジタル耳栓は文具売り場の「デジタル文具コーナー」にがありました(ヨドバシカメラの場合)。
皆さんも一度大きな家電屋さんに行ってみて、実際に試用してみるのもいいかもしれませんね。(ただ、家電屋自体が騒音に溢れているので、結構疲れてしまうのが難点ですが。)